働き改革や新型コロナウイルスの影響もあり、テレワーク(リモートワーク)を推奨する動きは徐々に浸透しつつあります。インターネット回線があれば場所を問わずビジネスをできる環境が高まれば、情報伝達スピードも高まることで生産性が向上し、売上増加や利益拡大にもつながりやすくなります。
とはいえ、今まで社内で対面によるコミュニケーションに重きを置いたビジネスを行っていると、オンラインによるコミュニケーションがうまくいかず、かえってマイナス影響につながる場合も起こり得ます。
このような際にはコラボレーションツールの導入がおすすめです。自社内だけに限らず、社外のメンバーを含めたチームを組んで進行するプロジェクトにおいては、メンバー間のコミュニケーションや情報共有、スケジュール管理などをスムーズに行うことが求められます。このような社内外問わずあらゆる関係者との意思疎通を円滑に進め、プロジェクトを効率的に進めるためにおすすめなのがチームコラボレーションツールとなります。プロジェクト管理やタスク管理、ファイル共有などを一元管理でき、コミュニケーションの円滑化を図るとともに業務効率化につなげることも可能です。
ただ、現在ではテレワークの浸透とともにコラボレーションツールも多くリリースされています。
そのため、「コラボレーションツールを選ぶ上での基準は?」「そもそもコラボレーションツールとは?」「コラボレーションツールを導入したらどういったメリットがあるの?」などと悩まれる担当者も少なくありません。
そこで今回は、チームコラボレーションツールの概要を説明するとともに、正しい選び方やメリット・デメリットなどについても解説していきます。
コラボレーションツールとは
コラボレーションツールとは、社内外問わずあらゆる関係者との意思疎通を円滑に進め、プロジェクトを効率的に進めるためのツールです。
様々なビジネスシーンにおいて、プロジェクトや案件は同じ部署内だけで完結させるだけでなく、社内外問わず部署やメンバーの垣根を越えたチームで行うことは多々あります。特に、社外の取引先企業の担当者なども関われば、それぞれの知見を活かした大きなコラボレーションが生まれます。
ただ、関わる担当者が多岐に渡れば渡るほど、お互いの意思疎通を円滑にしておかなければ上手くいきません。コラボレーションツールの導入は、このような意思疎通を含めたコミュニケーションの円滑化や業務効率化につなげる上でおすすめのツールとなります。
コラボレーションツールが注目される理由
近年新型コロナウイルスの影響が深刻になる中、企業のテレワーク(リモートワーク)は急激に浸透するようになりました。その結果、在宅や喫茶店などからも業務ができる環境が整うようになり、情報共有やコミュニケーションのあり方も変化がみられるようになってきています。
コラボレーションツールは、このような中で注目され出したビジネスツールとなり、社内だけでなく社外との連携をスムーズに行い、業務効率化を図る上でおすすめされるツールとして多くの企業で導入されています。
どのような人におすすめなのか
自社内だけに限らず、社外のメンバーを含めたチームを組んで進行するプロジェクトにおいては、メンバー間のコミュニケーションや情報共有、スケジュール管理などをスムーズに行うことが求められます。
例えば、プロジェクトを担当するメンバー間で扱うツールが異なる場合、情報共有するために都度専用ツールにアクセスしなければならなかったり、共有用のツールを新たに導入しなければならないなど手間がかかります。
あらかじめプロジェクト担当者は共有のコミュニケーションツールで管理することができれば、連絡時の手間も軽減でき、よりスムーズに案件を進められるようになります。複数のツールを使い分けていたり、連絡や報告、進捗管理、コミュニケーションなどメンバー内で共通するツールが無い場合にはおすすめの手法です。
コラボレーションツールには5つの種類がある
コラボレーションツールは、コミュニケーションの円滑化や業務効率化につなげる上でおすすめのツールとなりますが、現在その種類は様々存在します。主なカテゴリとしては大きく以下の5つに分類することができます。
①チャットツール
チャットツールとは、チーム内での情報共有を効率化することに特化したツールのことを指します。
メールや電話などとは異なり、チャット形式でコミュニケーションや情報共有を行うことができます。1対1のみならず、チームごとに複数人でチャットを行うことも可能です。案件やプロジェクトに特化したチャットであれば、重要な情報が埋もれることもなく、且つ迅速なレスポンスにつなげることができます。
②タスク・プロジェクト管理ツール
タスク・プロジェクト管理ツールでは、その名の通りチームやプロジェクトのタスク管理や進捗状況の共有を行い、業務効率化につなげるツールのことを指します。
業務の見える化を行うことで、現状の把握とともに日々の業務を円滑に進めることが可能になります。
③Web会議ツール
Web会議ツールとは、PCやスマートフォンに内蔵されているカメラを用いて、映像や音声とともに通話を行うことができるツールのことを指します。
在宅や喫茶店など、企業外からのテレワーク(リモートワーク)によって、対面での打合せが行いにくい昨今において、インターネット回線があれば場所を問わず、画面越しに顔を見ながら打ち合わせが行うことができます。
④グループウェア
グループウェアは、チーム内のコミュニケーションや情報共有をサポートするためのソフトウェアのことを指します。
ファイル共有やスケジュール調整、施設予約、ワークフローの構築など多くの機能を搭載したものが多くなります。
⑤社内Wiki
社内Wikiとは、自社内のWikipediaのように各自がノウハウや経験をもとにナレッジとして共有することを目的としたソフトウェアのことを指します。
ナレッジが溜まれば自動的にマニュアルや報告書、社内Q&Aとして活用することも可能です。新卒社員の教育指導や研修などにも活用されることが多くあります。
コラボレーションツールを導入するメリット
続いて、コラボレーションツールを導入するメリットについて紹介していきます。コラボレーションツールを導入する目的には、コミュケーションの円滑化や業務効率化が挙げられますが、その他にも具体的に以下のようなメリットがあります。
①コミュケーションの円滑化
プロジェクトや案件によっては、メンバーを部署内だけで構築するのではなく、社内の様々な部署から集めたり、外部の企業を交えたメンバー構成になる場合も少なくありません。このような場合、参加者同士のコミュニケーションが上手くいかずに、連携が疎かになり、プロジェクトが円滑に進まないケースが多くあります。
コミュニケーションはビジネスにおいて欠かせない要素となります。コラボレーションツールを導入することで、このコミュニケーションをスピーディーに且つ円滑に進めることが可能になります。例えば、チャット機能を活用すれば、都度のチーム間での連絡はメールよりも格段に速くなり、リアルタイムでの業務進行につなげることができるようになります。
情報が埋もれることを防ぎ、コミュケーションの円滑化を図る上で、コラボレーションツールの導入はおすすめです。
②情報共有の活性化及び業務効率化
コミュケーションの円滑化とともに、コラボレーションツールの導入は、情報共有の活性化においても効果的です。様々なメンバーが集まるチーム内において、1つのワークスペース上で業務に必要な情報共有を一元管理することができます。
プロジェクトにおいては、企画書からスケジュール管理表、進捗報告書、結果レポートなど様々な資料を随時共有する必要があります。これら情報共有をスムーズに行うことができれば、共有漏れを防ぎ、意思決定までのスピードが速くなることで、売上増加や利益拡大につなげることも可能になります。
③様々なデバイス対応による生産性の向上
働き方改革やテレワーク(リモートワーク)の推奨に伴い、現在では在宅や喫茶店など場所や時間を問わず働く環境が整ってきています。伴って、多様な働き方が行われる中にあって、チーム内のコミュニケーション・連携も場所を問わず求められるようになってきています。
コラボレーションツールの多くは、クラウド型で提供されているため、このような環境の変化やニーズの多様化にも対応した展開が可能になります。スマートフォンやタブレットなどマルチデバイスに対応したものも多く、インターネット回線さえあればどこでも活用できるコラボレーションツールを導入することで、生産性の向上にもつなげることができます。
④属人化の防止
チームで行うプロジェクトにおいては、どうしても特定の担当者に業務が集中し、手順やノウハウなど理解できる担当者が限定されてしまうケースも多くあります。
このような属人化は、担当者が不在の際にトラブルにつながる可能性もあります。属人化を防ぐためには、情報共有を密に行い、業務におけるナレッジをチーム内で高め合う必要があります。この点も、コラボレーションツールを導入することで、①のコミュニケーション円滑化と②の業務効率化を組み合わせることで未然に防ぐことが可能です。
⑤コスト削減
コラボレーションツールを導入するためには、初期費用や月額利用料などコストが必要になります。ただ、一方でコラボレーションツールを効率よく活用することで、他の面でのコスト削減につなげることも可能です。例えば、Web会議機能を活用すれば、打ち合わせをオンラインで行うことで交通費や移動時間を削減することができます。
資料をデータ共有することで印刷代の削減も可能です。このように、ビジネスにおける業務コストをコラボレーションツールで賄うことで、トータル的にコスト削減につなげることも期待できます。
コラボレーションツール導入のデメリット
コラボレーションツールの導入は、先ほど紹介したように多くのメリットがあるため、プロジェクトや案件を円滑に進める上ではおすすめのツールとなります。ただ、一方でコラボレーションツールにもデメリットは存在します。これから導入を検討する際には、以下のデメリットは注意点として押さえておくと効果的です。
①情報量が増え混乱が生じる可能性がある
コラボレーションツールは、プロジェクトや案件を担当するメンバー内で密に情報共有・連携を行う上で欠かせないツールとなります。
様々な情報を一元管理することができるため効率的に運用できる反面で、多くの情報が集約するため自身にとって重要な情報と優先度が低い情報が混在するケースも少なくありません。情報量が増えれば、本来必要な情報を見落としてしまい、業務が滞る可能性も高まります。
業務効率化のためのツールが原因で業務が滞れば本末転倒ですので、ツールを正しく理解し、特性を活かして自身で効率よく運用していくことが求められます。
②社内への事前共有が必要
コラボレーションツールは、企業として導入する以上、その目的や意図を明確にし、事前に社内でも共有しておく必要があります。その際、活用するメンバーであればまだしも、活用しない社員にとっては導入に懐疑的な思いを持つケースも少なくありません。
業務効率化のツールは、理解してもらえるまでに時間がかかる場合が多くありますが、後々のトラブルを防ぐ上でも事前に同意を得ておいた方が効果的です。
また、活用者であってもITリテラシーが低い場合には抵抗感を覚えたり、正しく活用できずに不満につながる場合もあり得ます。事前に共有する際には、目的や活用方法など納得した上で導入・運用していくことが重要です。
③インターネット環境が必須
コラボレーションツールの多くは、メリットでもふれたように基本的にクラウド型が中心となります。そのため、インターネットへの接続が必須条件となります。社内の環境下であればまだしも、外出先の喫茶店や自宅などからではインターネット環境があったとしても通信速度が遅く十分に活用できない場合もあり得ます。
都内を中心にWi-Fi環境も整いつつありますが、インターネット環境に左右される場合がある点は注意点として押さえておく必要があります。
コラボレーションツールの選び方
続いて、コラボレーションツールの選び方についても紹介していきます。コラボレーションツールは、昨今のテレワーク(リモートワーク)の普及などもあって重要度が高まり、提供されているサービスも多様化しつつあります。その中で、自社に合ったツールを選定する上では、以下のポイントを押さえておくことがおすすめです。
①目的とともに必要な機能の明確化
どのようなコラボレーションツールを導入するにせよ、自社の目的と合わなければ意味がありません。そのためにはまず自社の目的を明確化しておく必要があります。目的を明確化することで、自ずとコラボレーションツールにて必要な機能が分かってきます。
例えば、プロジェクトや案件によってはチャット機能があれば十分な場合もあれば、Web会議機能が必須であったり、タスク・プロジェクト管理機能が必要な場合もあります。また、参加人数によっては無料版で対応できるケースもあるため、プロジェクトや案件に携わる人数も導入前に確認しておくことも効果的です。
不必要な機能によって金額が異なるようであれば、コストを削減した形で導入・活用することも可能になります。そのため、導入前には必ず目的を明確化しておくことがおすすめです。
②インターフェースや操作性の高さ
プロジェクトや案件に携わるメンバーは、みなITリテラシーが高い方とは限りません。そのため、コラボレーションツールを選定する際には、インターフェースや操作性が高いかどうか確認しておくこともおすすめです。
どれだけ高性能で多くの機能が搭載されていたとしても、チーム内のメンバーがその機能を使いこなせなければ意味がありません。業務効率化を図る上でも操作性・利便性の高いツールを選定することが重要です。コラボレーションツールによっては、本格導入の前に無料のトライアルやデモ版が用意されている場合も多くあります。
事前にトライアルを活用し、チーム内のメンバー全員で操作感を確認することもおすすめです。
③セキュリティ対策
メリット・デメリットでもふれたように、コラボレーションツールの多くは基本的にクラウド型のサービスとなります。クラウド型サービスは、場所を問わずインターネット環境さえあれば比較的簡単に導入できる反面、セキュリティが弱くなる傾向にあります。
コラボレーションツールを活用するプロジェクトや案件は、基本的には社内の重要事項であるケースが多く、伴って共有する情報はいずれも機密事項になる場合が多くあります。そのため、万が一情報が漏えいしてしまうと、企業にとって大きな損害につながるだけでなく、信用問題にもなりかねません。
コラボレーションツールを選定する際には、セキュリティ対策を強化しているか必ず事前に確認しておくことがおすすめです。
④マルチデバイス対応
マルチデバイスに対応したコラボレーションツールを選定することもおすすめポイントの一つとなります。プロジェクトや案件を行うにあたり、常にPCからのアクセスだけではなく、時にはスマートフォンやタブレットを活用するケースも少なくありません。
昨今では、スマートフォンやタブレットを業務として活用する傾向も増えており、マルチデバイスに対応したツールは業務効率化を図る上で欠かせません。③のセキュリティ対策とあわせ検討すると効果的です。
⑤他ツールとの連携
コラボレーションツールは、プロジェクトや案件を遂行するチーム内の情報共有を一元管理するためのツールとなりますが、その他のツールと組み合わせることでより業務効率化を図ることも可能になります。
例えば、SFAツールを連携させることで、見込顧客からの問合せに対してアラートをコラボレーションツールに飛ばし、顧客動向とあわせた戦略構築につなげることも可能になります。既に関連するツールを導入している場合には、コラボレーションツールに組み込むことができるか、合わせて検討していくと効果的です。
UPSTORYがおすすめするコラボレーションツールは、以下の記事で詳しく紹介しています。 |
まとめ
社内のメンバーだけでなく、社外の担当者も交えてプロジェクトや案件を遂行していく場合、円滑なコミュニケーションと確実な情報共有は非常に重要となります。さらに、業務効率化を図る上でもチームコラボレーションツールの導入はより必須となるでしょう。
コラボレーションツールのとはどのようなツールなのかをきちんと理解し、この記事で紹介したツールの選び方をぜひ参考にしてみてください。