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【著名人インタビュー】成果の出るデジタル施策には定石があった!「AIアナリスト」の生みの親が明かすマーケティングの神髄

初回は、デジタルマーケティングの自動分析・改善提案ツール「AIアナリスト」の生みの親であり、デジタルマーケティングに造詣が深い、WACUL取締役の垣内勇威氏にお話をうかがいました。

垣内氏がデジタルマーケティングに関わるようになったきっかけや、AIアナリストのローンチにまつわるエピソード、経営者としてのミッションやビジョンについて掘り下げていきます。

 

株式会社WACUL 取締役 垣内勇威氏 インタビュー

【プロフィール】

垣内 勇威(かきうち・ゆうい)。

東京大学経済学部卒業後、株式会社ビービットを経て、2013年に株式会社WACUL入社。改善提案から効果検証までマーケターのPDCAをサポートするツール「AIアナリスト」を生み出した。2019年に産学連携型の研究所「WACUL Technology & Marketing Lab.」を立ち上げ、所長に就任。

現在、 研究所所長および取締役として、インキュベーション事業を牽引。新規事業や新機能の企画・開発および大企業とのPoCなど長期目線での事業開発の責任者を務める。

人のやってきたことをテクノロジーで

現在のWACULでの役割について教えてください
取締役として会社全体を見ていますが、当社のR&Dや新規事業の開発といった領域を主に所管しています。

R&Dの中には、コンサルティングのようなことをやりつつ、お客さまの新しい事業をつくるお手伝いをするといったことも含まれます。
R&Dには一貫して取り組まれてきたのですか?
そうですね、当社ではこれまでR&Dにずっと取り組んでいまして、「AIアナリスト」という今の主力のサービスも私がチームとともに生み出したものです。

一般的なスタートアップでは、“テクノロジーファースト”のような感覚で、このテクノロジーを活用するためにこういうプロダクトをつくっていこうということが多いと思います。

これに対して私どもは「人間がやってきたものをどうやってテクノロジーに転換して生産性を高められるか」というような、課題解決のために必要なテクノロジーを活用してプロダクトをつくるという向き合い方をしています。

当社は現在、マーケティングなど顧客獲得という領域でビジネスを展開していますが、成果につながらない施策というものは、本当に無価値だと思っています。成果につながるものをどんどんプロダクト化していく、ということに取り組んでいきたいです。

成果を上げるノウハウを自動化した「AIアナリスト」

AIアナリストの開発経緯については?
私がデジタルマーケティング領域のコンサルティングをやっていた当初は、成果報酬型でかつ、全社でこの事業に取り組んでいたのではなく私が一人で取り組んでいたような状況でした。成果は上げていたため、「この成果を上げるノウハウをもっと多くの人に届けられないか」「どうやったら自動化できるのか」を考え始めたのが、AIアナリストを生み出したきっかけです。

当時は、GoogleアナリティクスというWebサイトのデータを分析するツールのデータをお客さまからの営業段階でいただき、データを分析して改善提案するようなことをひたすら行っていました。こうした営みをそのまま自動化してしまい、何をやれば成果が出るかを算出するプロダクトをつくりたかったのが出発点です。
ローンチまでに苦労はありましたか?
もともとコンサルティングでやっていたことを自動化したため、苦労はありましたが、開発自体はうまくいきました。それよりも、当初から課題だと思っていたことは、ツール上で「ここが伸びますよ」とお客さまにお伝えしても、お客さまから納得感が得られないことでした。

つまり当社のサポート担当である人間が、「これをしっかりと実行してください」と言ってきちんと背中を押してあげないと、お客さまは動かないという課題に直面しました。ツールだけで完結させようという考えもありましたが、なかなかそれだけでは説得が足りないことがありましたね。

例えばお客さまのWebサイトであれば、「このWeb サイトのこの部分を直してください」と細かく具体的に指示しないと、ユーザーに動いてもらえないということです。そういった具体化のところまでしっかりサービスとして落とし込まないと、実装まで至らなかったという経験もローンチしたての頃はありました。

ユーザーの後押しは人が介在する場面も

ユーザーが納得するまでの過程を自動化するのは難しいということでしょうか?
現在は、かなり改善されていますが、やはりユーザーの背中を押すことは必要だと思っています。デジタル完結といっても、日本のB to Bでは人が張り付く必要もあり、一朝一夕にはいきません。

ただし、実績を積んできて成果が出るパターンが確立されてくると、ツールだけで納得していただけるようになります。サービスの分析そのものの良し悪し以前に、AIなんて信用ならないと門前払いされないようしっかりと世の中に信頼できるツールだと認めてもらうことが先だと考えます。そういう意味において、権威性は必要だと思います。
AIアナリストの認知度はかなり高まっているのではないでしょうか?
過去には良くも悪くも、新規のお客さまが取りづらくなってきた時期がありました。もともとAIアナリストという名前もキャッチーですし、新規性があったことで、当初はかなり新規ユーザーが獲得できました。

ただ、やはりキャズムを超えるための苦しいタイミングもありました。ローンチ直後は感度の高い方が次々にお客さまになって頂いていましたし、そこまでいかないフォロワー的なアーリーアダプターの方についても徐々にAIアナリストが浸透していった段階で、新規獲得はいったん減りました。

そこで新しいプロダクトを出す、あるいはLTVを伸ばしにいくといった施策を打ち出し、試行錯誤をしながら、耐えなければいけないという時期はありました。プロダクトを出してから3~5年くらいの時期だったと記憶しています。

デジタルマーケの領域を広げバリューを高める

具体的にはどのようなことに取り組まれたのですか?
デジタルマーケティングで言うと、お客さまの顧客獲得に関わる業務をもっと幅広くご支援したいという考えがありました。例えばWebサイトだけを改善したお客さまに対し、広告や SEO、メールマーケティングなど幅広い領域を提案したり、お客さまのサイト制作までを請け負ったりしました。

さらにデジタル接点の外にあるけれど顧客獲得には関わるインサイドセールスの構築など、幅広い周辺領域に次々とサービスを拡張して、お客さまにより高いバリューを提供できる施策も打ち出しました。

大学時代からアルバイトでマーケティングの世界に

垣内さんご自身についても、お話をうかがいたいと思います。そもそもマーケティングの世界に入るきっかけとなったのは?
大学でマーケティングに関して学んだことは特にないのですが、大学3年頃に大学の先輩の紹介で、ビービットという前職にアルバイトで入りました。その会社がデジタルマーケティングをやっていたため、その流れで現在に至っています。

ビービットには7年くらい在籍し、最初はコンサルティングをやり、その後にデジタルマーケティング特化のコンサルティング、途中からデジタルマーケティングのソフトウエアをつくることになりました。会社の方針変更があったためです。
その後WACULへ参画された経緯については?
WACULの当時の社長が、もともとビービットの同僚だったこともあり、彼に入社したいと相談したという経緯があります。理由としてはちょうど30歳になる手前で、安定したサラリーマン生活を続けるより、もう少し攻めの人生を送ろうと考えたからです。いずれは経営者になりたいという気持ちで転職しました。

また、当時はコンサルティングについて、再現性のない仕事だと思っていました。デジタルマーケティングの手法を世の中一般に普及させるためには、よりシステム化していかなければならず、それを自分の手でやりたかったということです。

ムダなことにリソースを使いたくない

かなり合理的な思考の持ち主のようですが、原体験のようなものはあるのでしょうか?
コンサルティング自体、理不尽なことが多いと思っています。例えば、「こんな意思決定は、本当は誰もしたくないのにしている」といったケースがあったりしますね。組織間の壁があるが故に、話し合えばわかることが前に進まないということも。企業内や、企業の外のITベンダーとの間でもそういうことが多々あります。

私自身は、わりと潔癖症なこともあり、そういった理不尽さにずっとフラストレーションがたまっていました。こういう理不尽さを排除したいというのがひとつです。あとは面倒くさがりなところもあるかもしれません。

例えば飲食店を予約しようと思ったとき、今はコロナ禍で空いている店を探したり、お店の雰囲気を調べたりするのがものすごく面倒くさいですよね。そういったことをせずに、店を予約できるサービスがあったら最高ですから。

私はあらゆるムダなことに、脳のリソースを使いたくない。自分が得意なことについては人のためにも使いたいし、世の中に貢献したいと思いますが、得意でないことやどうでもいいことに対しては、本当に不快だと思ってしまいます。日々の原体験の積み重ねかもしれませんが、元来そうなのかもしれませんね。

企業変革にデジタルから挑む

反対に今のお仕事でやりがいを感じることとは、どんなことですか?
2軸あると考えています。1つ目が大手企業への深い入り込みによって、その会社が変革をとげ、ひいては社会貢献になることです。2つ目が、幅広い企業に対するソフトウエアやシステムの提供による課題解決への貢献です。

大きな会社のお客さまを支援すると、当然そのエンドユーザーも大量になります。デジタルを活用することでこうした会社の経営方針が変わり、当然のことながら顧客視点に向かうことになれば、大手企業の先にいるエンドユーザーの体験もよくなるはず。とてもやりがいが感じられます。

その一方で、プロダクトを開発し広くあまねくサービスを提供できるようになれば、お客さまへの関与度は薄くなりますが、世の中は変わっていくでしょう。私どもが支援を始めてから、私の思っている方向に変わっていく割合がとても高く、当社のことを理解いただいて実行されることを嬉しく思います。
今までで大きく変わった顧客の事例はありますか?
一例ですが、読売巨人軍さまのお手伝いをしたことがあります。ファンのためのグッズを作ることになりましたが、ファンは巨人のシンボルカラーであるオレンジ色のコテコテのジャイアンツっぽいものを求めていると思いがちでした。

ところが、ファンとしては肌身離さず使っていたいため、自分だけにわかるようなシンプルデザインで、かつワンポイントが裏側に入っているようなグッズ求めていることが分かりました。「ファンが求めているものはこうだ」ということを理解することによって、グッズの活動はもちろん、全体的なブランド戦略が大きく方向転換するきっかけになったという話があります。

デジタルの限界と顧客理解

垣内さんの著書である『デジタルマーケティングの定石』には、デジタルの限界についても言及されています
顧客についてデータで把握できるのは、ほんの一部でしかありません。例えばコンビニエンスストアで、お客さんが清涼飲料水を買ったとします。ところがそのタイミングで、その人がなぜ飲み物を買ったのかというと、待ち合わせに遅れそうになって走って喉が渇いたからだと。

ところがPOSデータには、「30代の男性が清涼飲料水を買った」と入力されて、データの背景にある情報は一切読み取れません。それでデータ活用によるマーケティングができるかと言っても、Google やFacebookであればもう少し情報をもっていますが、生のお客さんを見るということをせずにマーケティングはできない、と書かせていただきました。

社内コンセンサスの効率化をツールで

WACULで今後取り組んでいきたいことについて聞かせてください
当社は「圧倒的な知ですべての人々のビジネスを加速する相棒として、世界最高の課題解決会社になります」いう目標を掲げています。そこがまさに私どものやりたいことです。どうすればデジタルを活用しての顧客獲得ができ、ビジネスが伸びるのかという答えはある程度は知っていますが、それだけではすまないのが世の中です。

お客さまに答えをインストールするには非常に骨が折れると思っていまして、例えば企業内で「こういう人を説得しないといけない」「こういうふうに承認をとっていかなければ意思決定ができない」といった問題があります。それぞれ企業ごとに、状況や条件が異なるということです。そこをなんとか自動的に説得できるしくみを構築できないかと考えています。

当社としては、企業のおかれた状況ごとに、コンセンサスをとる作業の合理化・効率化を図れるようなソリューションを作っていきたいと思っています。

この記事を書いた人

UP STORY編集部

UP STORY編集部

本サイト運営会社のSTORY UP株式会社において、マーケティング戦略の立案・実行、SEO、サイト制作・改善、コンテンツ制作などマーケティング関連全般を担当。これまでの業務経験の中で得た知見・ノウハウを配信しています。

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