人事戦略の一つとして、企業が従業員の活躍や成長を促すタレントマネジメントという考え方が注目を集めています。
タレントマネジメントとは、1990年代から欧米で導入され始め、日本では2010年代から徐々に注目され始めてきました。働き方改革など労働に対する価値観が多様化し、労働市場も流動化する中で人材不足が慢性化するようになり、限られた人員で企業の目標を達成するためにはいかに人材をマネジメントしていくかが重要になります。
crexta(クレクタ)は、株式会社マイナビが提供する最適な人材開発・組織開発を実現するタレントマネジメントシステムです。運用面でもサポート体制が充実しており、ITリテラシーが高くない担当者でも安心して導入することが可能です。
この記事では、crextaの概要や機能、特徴などについてポイントを中心に解説していきます。後半では、開発元である株式会社マイナビの村上 諭さんと田口 弘毅さんにプロダクトについてインタビューした内容もご紹介します。crextaの導入を検討されている方は特に必見です。
目次
crextaとは?
crextaは、求人・人材採用の大手である株式会社マイナビが2020年7月にリリースしたタレントマネジメントシステムです。
タレントマネジメントを行うためには、従業員一人ひとりの特徴や性格を深く把握する必要があり、そのためには様々な観点から多くの数値・データをもとに確認することが求められます。これらの数値・データを用いて育成や適正な配置などにつなげていくため、人力では限界もあります。
crextaは、社内に混在しがちな人材情報を集約・蓄積できる機能をもち、担当者が従業員に関する情報をすぐに把握することが可能です。
さらに、収集したデータの分析を合わせて行うことで、戦略的な人事の推進につなげることができます。
人材開発や組織開発を支援するために、組織状態を可視化するエンゲージメント診断、キャリア開発を支援する e-ラーニング機能など多くの機能が搭載されており、これらの収集や調査、分析、改善へつなげることに期待できます。
企業ニーズに応じた効果的な運用サポートも用意されており、これからタレントマネジメントに取り組む企業であっても安心して活用することができます。
社内のタレントマネジメントにおける課題解決におすすめ
crextaは、次のような課題をお持ちの方におすすめです。
次世代のリーダーとなる人材の選抜・育成、キャリアを開発したい
社内における次世代のリーダーの選抜・育成、キャリア開発につなげるためには、求められる要件を明確化し、その上で従業員の資質や特性、経歴などを把握していく必要があります。
crexta内のペルソナ分析機能やパーソナリティ診断機能を活用すれば、自社のリーダーとして求められる要件を明確化でき、見合った人材の選抜に活用できます。
育成に関しても、eラーニング機能や組織シミュレーション機能を活用し、従業員の資質を活かしながらリーダー候補に近づくための教育やキャリア開発につなげることができます。
より良い人材を採用したい
より良い人材採用につなげるためにも、組織で求められる人材像や採用要件を明確化する必要があります。要件にマッチした人材が明確化されれば、訴求方法や採用時の選考方法なども変わってきます。
このような用途にもcrextaではデータベースに蓄積された人材情報をもとに、ペルソナ分析機能を実施し、人材要件を明確化することができます。
組織力を向上させる組織開発につなげたい
組織構成を効果的に行うためには、従業員の資質や特性、経歴を見える化する必要があります。本人の要望を踏まえた上で組織を事前予測しながら、適切な配置につなげていきます。
また、配置転換後には従業員が馴染めるよう支援・サポートを行うことも重要です。crextaでは従業員のパーソナリティ診断機能や組織シミュレーション機能にて配置後の予測を立てることができます。
離職率を低下させたい
離職率の低下は、業種業態問わず多くの企業に求められています。crextaではエンゲージメント診断機能を用いて全社や各部門の組織状態を把握し、離職につながる組織の問題がどこにあるのか明らかにすることが可能です。
各施策の効果測定や現状把握を目的に、組織状態を定点観測することで、離職の可能性を未然に防ぎ、離職率を低下させることに役立てることができます。
評価制度を正しく機能させたい
評価制度を機能させるためには、評価者が社内の基準に沿って目標設定やフィードバックを行えているか確認することが求められます。そのためには、評価結果や面談時のメモなどを評価データとして蓄積し、振返ることが重要です。
crextaの人事評価機能は、評価が正しく運用されているか把握し、エンゲージメント診断機能と掛け合わせることで組織状態を定点観測することも可能です。蓄積されたデータの確認や分析を通じて評価制度を最適化することができます。
crextaの機能について
crextaの特徴的な6つの機能についてご紹介します。
■データベース機能 従業員の資質や特性、経歴といった情報は社内で混在しがちですが、crextaのデータベース機能では一元管理をして集約・蓄積することが可能です。CSVやExcelファイルを用いて一括で登録・更新することも可能です。 |
■エンゲージメント診断機能 生産性や離職率と相関があるといわれる、組織の“エンゲージメント”状態を可視化する機能です。 本機能では「従業員が組織に貢献する意図をもって、業務に打ち込んでいる状態」をエンゲージメントが高い組織と定義し、各部署ごとのエンゲージメント状態の高低を明らかにします。あわせて、そのエンゲージメント状態に影響している要因となるスコアも、ランキングや他社比較などの様々な観点で確認することが可能です。 |
■パーソナリティ診断機能 パーソナリティ診断機能は、従業員の職務に関するパーソナリティを9つの要素に分けて診断することができる機能です。 診断後には自動でレポートが生成され、従業員のパーソナリティの特徴を可視化することができます。この要素を参考に、リーダー選抜や育成、キャリア開発につなげることが可能です。 |
■ペルソナ分析機能 crextaのペルソナ分析機能では、AIを活用してある特徴を持つ人材(例:ハイパフォーマー、長期活躍社員、育成上手な先輩社員、エンゲージメントの高い組織の管理職など)の共通点などを分析することができます。自社が求める人材像や要件を決めた上で、効果的なペルソナモデルに落とし込むことが可能です。 また、確立したペルソナモデルに対して、データベースに蓄積されている情報や各診断機能の結果などの状況を加味した分析を行うことで、マッチした従業員を見つけ出すこともできます。 |
■eラーニング機能 社員教育や新入社員研修、リーダー育成、キャリア開発につなげる上で必要なマイナビが制作した様々なeラーニングコンテンツを一元管理することができます。 自社独自のコンテンツはPowerPoint 等の資料からmp4形式の動画であってもアップロードして配信することが可能です。また、研修効果を最大化するために、研修の事前学習として知識のインプットはeラーニングで行い、当日はeラーニングと連動したアウトプット主体の研修のご提案を行うこともできます。 |
■組織シミュレーション機能 組織シミュレーション機能では、データベース上の従業員の情報を参考に、人事異動後の組織状態を予測し、効果的な人材配置や組織構成につなげることが可能です。crexta内で対象者をドラッグ&ドロップするだけで、改変後の組織を視覚的にも簡単に把握・予測することができます。 事前に様々なパターンを見越してシミュレーションを行うことで、効果的な人材配置やバランスのとれた組織を予測することが可能です。 |
crextaの3つの特徴
crextaの3つの特徴についても見てみましょう。
AIによる客観的且つ効率的な分析
crextaは、人事業務に特化したAIエンジンHaRiを搭載しています。従業員の情報を可視化する上で、主観的な分析は誤った判断につながりエンゲージメントの低下につながりかねません。
また、優秀な人材の発掘や、従業員に応じた育成ポイントを明確化するためには、客観的且つ効率的なAIの活用は効果的です。
直感的なUIとシンプルで分かりやすいインターフェース
crextaでは、事前に登録したデータベースをもとにさまざまな機能をドラッグ&ドロップで感覚的に操作できる設定になっています。
そのため、システム系サービスに多い複雑さは無く、ITリテラシーが高くない担当者でも分かりやすいインターフェースが特徴です。
信頼性・妥当性のある調査・分析機能
crextaに搭載されている見える化や分析、定点観測の際に活用される各診断機能は、学術機関や専門機関との提携や助言を受けて開発しています。
そのため、エンゲージメント診断やパーソナリティ診断などで活用する数値・データも信頼性や妥当性の高い指標や分析項目をもとに抽出することが可能です。
【開発会社インタビュー】株式会社マイナビ 村上 諭さん・田口 弘毅さん
村上 諭
教育研修事業部・事業開発部 部長
大学卒業後、IT・通信インフラ業界での営業・人事(新卒採用業務)を経て、2012年 マイナビ入社。新卒採用をメインに、数多くの企業採用支援に従事。採用後の定着にも重要性を見出し、2015年より現部署に参画。主に全国で開催している集合型研修の運営責任者として従事。2020年より、上記に加え、タレントマネジメントシステム(crexta)の開発責任者となり現在に至る。
田口 弘毅
教育研修事業部・HRコンサル部 部長
2010年に株式会社マイナビへ入社。以後、一貫して採用・人材開発・組織開発のコンサルティング(各種制度設計・企画・運用支援)に従事する。 近年では、HR Trend Labの主席研究員や日本人材マネジメント協会の執行役員なども務め、若年層のリーダーシップ開発をテーマにした研究活動なども行う。 仕事においては理論と実践のバランスを、人生においては仕事と家庭(主に息子2人の育児)のバランスをとりわけ大切にしています。